【完】アイドル彼氏★好きになっちゃった

「聞いた!?ドラマに出てたコ、タメだって！」


「うそーっ、マジ!?」


「うん。今朝、芸能科の校舎ではってたコが、見たらしいよ！」


お昼休みに、そんな騒ぎ声が聞こえてくる。


そーだよーだ、いるもんね。


私なんか、最初から知ってたんだから。


それに、中学だって同じで、


私の彼氏なんだから……。


……言いたいけど、言えないよ。


「ナナ、どしたの？泣きそうな顔してる」


安土さんがお弁当を持って、私の席まで来てくれた。


「ううん。何でもないよ。ねぇ、祐くん、来週発売の雑誌に出てたよ」


カバンから新刊を出すと、安土さんは雑誌に飛び付いた。


「きゃーっ、ナナありがと！嬉しいーっ」