【完】アイドル彼氏★好きになっちゃった

何の夢見てるわけ？


キスが足んねぇ？


じゃ、今すぐにでもしてやるけど……。


電車が出たあとで、ちょうどホームには人がいないし、いいタイミング。


片腕でナナをさらに引き寄せ、顔を近付けてみた。


「いっ……イヤ～っ！！！！」


マジかよっ！


唇が触れそうになった途端、ナナにイスから突き落とされそうになる。


「……突然起きんなよ」


「えっ、えっ。翼っ!?　びっ……びっくりするよ。いきなり何するの!?」


「『翼。足りなぁ～い。もっとキスしてぇ』つってたからな、キスしてやろーかと」


って言ったら、ナナは一気に真っ赤な顔になった。


「えぇっ！そんな事言ってないよ？」


「言ってたって。なんの夢見てた？言ってみろって」