【完】アイドル彼氏★好きになっちゃった

『もし……あなたが、翼にしがみついてるだけの存在なら、いらないわ。

どうせ噂になるなら、話題作りに相応のモデルや女優なんて、たくさんいる。

一般人なんて……リアルすぎ。一番避けたいのよ』


相変わらず冷たい口調だったら、少しカチンときてたかも知れない。


だけど……電話でもわかる、必死な声だった。


それに、


それは私がいつも感じていたこと。


翼にしがみついてるだけの存在……。


アイドルじゃない翼が好き。


だけど、好きっていう気持ち以外に、なにもないんだ。


あるのは、嫉妬や不安だけ。


アイドルとしての翼を応援してあげられるだけの度量もないし、


翼をフォローできる包容力もない。


いつも、支えられてたのは……私だったから。