【完】アイドル彼氏★好きになっちゃった
中3のとき、翼によく、起こしてって言われてたのを思い出す。


……起こした方がいいかな。


余計なお世話だよね。


そう思いつつも、気がつくと、彼の肩をゆすっていた。


「……んー」


「……起きた方がいいよ」


「ん……わかってる。あと、5分だけ」


ひゃあぁ……。


伸ばした手をギュッと握られ、反射的に払ってしまった。


とたんに、バランスをくずし、男の子は椅子から転げ落ちてる。


うわーっ、どうしよう!!


「いてーっ!!」


「向井っ!なにやってんだぁ~!?」


こけた姿に、クラスの男子が大爆笑。


先生もいきなりのことに驚いてる。


そっか、向井くんって言うんだっけ。そんなことも、知らなかった。


慌てて私も椅子からおりて、向井くんのそばにしゃがんで手をのばした。


「ごめんね……大丈夫!?」


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