【完】アイドル彼氏★好きになっちゃった
「うぅっ……腕が……。ヤバい……折れたかも」


「えぇっ!?先生、向井くんの骨が……」


「マジか!?香月、保健室つれてってやれ」


「はいっ!」


痛そうにしている向井くんを支え、一緒に教室を出る。


「……大丈夫?腕、痛む?」


「ん……」


微妙に顔を歪める向井くんを見上げると、


その顔は、だんだんニヤケに変わっていってた。


「え?痛くないの?」


「あんなんで折れるかよー。香月さんて、素直なのな。ん~、やっぱタイプ」


ひっ……!


「ひどいっ!心配したのに!!」


保健室の前で、あわてて向井くんから離れた。


「だけどさー、あんな起こしかたなくね?椅子から落ちたのは、事実だし?」


「そうだけど……」


「とりあえず、保健室までつれてって下さい。肘すりむいたし、カットバンだけもらってく」


……向井くんに騙されちゃった。


そうだよね、あれぐらいで腕が折れるわけないか。


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