【完】アイドル彼氏★好きになっちゃった
「……ねぇ、エミリちゃんとはなんでもないの?」


キスの合間に、んなこと聞いてくるし。


「全然。ずっと、ナナが忘れらんなかった」


「嘘っ……」


「嘘じゃねぇよ。前から、ナナしか見てねーじゃん。芸能界の女には、キョーミないし?」


「みんな、かわいいのに……」


「オレからしたら、ナナが一番なの。ナナだって、側にいても好きになれないつってたろ。

……ほら、向井とか?」


「向井くんっ!?えっ、どうして知ってるの?」


「前に保健室で会ったじゃん。二人、仲良さそーにしてさ」


向井の余裕の表情を思い出したら、ちょっとイラッとした。


けど、ナナは大きく首を横に振った。


「あれは、偶然で。私のせいで向井くんが椅子から落ちて……だから。それだけ」


「わかってる。ナナのタイプは、オレだろ?向井なんか絶対違うって思ったし?」


「……自信過剰」


そう言いつつも、ナナはなんだか嬉しそう。


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