【完】アイドル彼氏★好きになっちゃった
「お待たせぇ~っ。あっ!もう、みんなそろってるんだぁ。うふふっ」


……振り返らなくてもわかる。


この、空気を全く読めない……


チョーハイテンションの、明るい声は。


「翼ったら~、ホント隙だらけなんだから。こないだも撮られたのに、今回はド素人に撮られちゃうなんてっ」


「おいっ、なんでおかんがココにいんだよっ」


小さな手提げバッグを手に持ち、ワンピースを着てニコニコこっちへやってくる、ウチのお気楽な母親。


「あら~、学長に大切な話があって。今日のお昼でもいいって言われてたんだけど、ワクワクしてて、朝一で来ちゃった♪」


会話での絵文字、ありえね~だろ!


と思いつつ、つけて聞いてしまうほどのルンルン度合いに、イライラ。


「大切な話って、なんなわけ?」


「お母さんねぇ、前から考えてることがあったのよね~。ちょうどいいから、早く提案したくって。先生、聞いてもらえます?」


すげー、イヤな予感がする。




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