【完】アイドル彼氏★好きになっちゃった
「泣いてんだろ」


翼は私の前に立ち、そっと頬に手を添える。


「……もう、戻らなきゃ。こんなとこ、誰かに見られたら大変」


私が立ち去ろうとしたら、翼に腰を引き寄せられた。


「最近会えてないから、余計不安になってんだよな。逆に言うと、今しかなくね?」


……うっわぁ。


翼はあっという間に、私をフワリと優しく抱きしめた。


「どうしよう、こんなの誰かに見られたら……」


そうは言うものの、翼の腕の中が心地よすぎて、その腕を振りほどけない。


「んー……見られたら、何か言い訳考える。だからナナは気にすんなって。黙ってオレの腕の中にいなさい」


翼はククッと笑いながら、私をギュッと抱きしめる。




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