【短】full blossoms~フル・ブロッサム~
「みゆきー!」

軽い声でみゆきの隣に座ってきたのは
親友の利佳子だった。

「クラスわかれちゃった~!
マジ悲しい~!!」

利佳子はそう言うと
みゆきの胸に大げさに泣きつくまねをした。

「でもさ、
遠藤と一緒じゃん♪」
みゆきは笑顔でそういうと利佳子の肩を
ぽんぽんとたたいた。

「お!俺のこと?」

利佳子の横からちょこんと遠藤優樹が顔を覗かせた。

『噂をすれば…だな。』

みゆきは思った。

「遠藤~~!
おんなじクラスだよ~♪盛り上げてこーー!」
利佳子と遠藤はハイタッチをした。

いつものこと。
学年でも目立つグループ。

大きい声で話しても誰も文句は言わない。

廊下にあるロッカーの前に陣取っていても、
ロッカーの上に座っていても、
誰も文句は言わないようなグループだった。
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