愛してるって言って欲しい━高野奈々の場合━
彼が勉強したのを見てから、私も1日のまとめに入る。

いつもの様に、誰に宛てるでもない手紙を書く。

━・・・6月3日へ・・・━
今日も朝、彼を迎えに行ったの!!
いつもどうり無表情で出てきたわ。
まぁ、それが格好良いんだけど。

彼、通学中に良い事をしたの。
道に迷っているおばあさんに道を教えてあげたの。
おばあさん、とても喜んでいたわ。
っその顔を見た彼も嬉しそうだった。
私、それを見て幸せな気持ちになったわ。

彼を学校に送ってから私も学校に行ったわ。
彼の所と近いし、
彼、格好良いから学校でも彼の話題で持ち切り。
彼の良い話聞けると嬉しくなるんだけど、
「彼女になろうかなぁ。」って言ってる子たち見ると吐き気がするの。
なんにも知らない癖にそんな簡単に彼女になれると思ってるなんてどうかしてるわ。

私みたいにもっと知らなくちゃね。
そう、私みたいに・・・。

それより、聞いて!!
今日ね、彼のお風呂に入ってる時間がいつもより長かったの。
だから、私溺れちゃったのかと思ってとても焦って家を飛び出そうとしたの。
そしたら彼、上がってきて、私泣きそうになったわ。彼が無事で良かった、てね。

彼って本当に私を心配させるからいつもドキドキするわ。
心臓がいくつあっても足りないくらい!!

あ!そろそろ彼が寝る時間だから私も寝なくちゃ。

それじゃぁね。

━・・・奈々より・・・━


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