オタク×ホスト
ホント…どうしよう
「どうしたんだ?」
亮は身長があたしよりおっきいからか
下から覗き込んできた
びっくりするでしょ
「な、なにもないっ!」
やっぱり、
バレンタインって貰えるか貰えないか分からない
そのドキドキ感がいいよね!
あたしだけかな…?
「ふーん…」
「そ、それよりあそこの本屋に寄って行こうよ」
話逸らすの下手くそですサーセン
怪しいって顔してたけどスルーして本屋に一緒に行ってくれた亮さん
「これ面白いんだぁ♪ずっとファンなの」
あたしは前から集めていた本を指差す
その本はずっと好きな作家さんで
新刊が出たらすぐに買うくらい大好きな作者様
「え…この遊麻(ゆま)って作者?」
少し驚いた顔をする
「すんごく絵がうまくてねっ!話も面白いの」
「へぇ…いつか会えるかもな」
すんごい興味なさそう…
てか最後適当に言ったな
めっちゃファンなんだぞ
でもホントに
会えたらいいな♪
「そんなのよりエロ本買え。お前のためになる」
亮はそう言いながら
表紙がピンク色な…いかがわしい臭いプンプンする本をあたしに持たせる
「いらないぃー!」
いらねぇよ!馬鹿!
それからあたしたちは
遊麻さんの新刊を買って本屋を出た