オタク×ホスト


「あたしね、亮が仕事してるとこみちゃったんだけどね…」

「うん」
あたしの言葉をきちんと聞いてるときの亮の声は優しくて


言葉が詰まる



「お客さんに優しくしてないとこみてね…」

「うん」
亮は真剣に聞いててくれてる

瞬きの回数が増えてくる



「嬉しいって思っちゃったの…心きたな「汚くねぇ」…へ?」

まだ最後まで言ってないんだけど!


「汚くねぇよ」

「だって…あたし…仕事では必要なことでしょ?それを…」
なぜか勝手に出てくる涙


亮の前で何回泣いてんだろね
でも亮の前だと素が出ちゃう


落ち着くの



「その未緒の気持ちが汚いっていうなら俺の気持ちも汚いよ」

あたしの頭を撫でながら言う亮。



「え?」



「俺はな…学校でモテるだろうなって考えて学校の男子に勝手に嫉妬したり、翼とかケンとか店長にも誰にも触らせたくないって思ってしまうくらい…」


勝手にって…
あたし以上じゃん


「ケンと翼と店長は無理だよ…大切な友達なんだから。」

てか、
店長って上司でしょ?


「知ってる。でも触らせたくない」


恋人繋ぎと抱きしめる攻撃はやばいです


効果抜群です。



「だから、未緒は汚くねぇ」

そう言って抱きしめる力が強くなった



「うん」

ありがとう




< 98 / 119 >

この作品をシェア

pagetop