ラブ・シンドローム
まず始めに、髪の毛を染めた。
案の定、職員室に呼び出される。
「先生も昔は、髪の毛を染めてたんだ。一緒だな」
「へぇ。それは見てみたいな。似合いそうだね」
今はすっかり黒く、セットされた髪の毛を触りながら、一言も怒らない先生。
次は、ネイル。
「それは、一体どうなってるんだ、器用だな」
「なんか先生、おっさんみたいだよ」
「お前たちからすると、先生はおっさんだよ、全く。悲しいけど」
そして、ピアス。
「痛くなかったのか?」
「平気」
「女の子は、お洒落だな、全く」
あたし達は、色んな話をした。
職員室に呼び出される回数が増えるたびに、あたししか知らない、先生のことを知っていく気がした。
嬉しかった。