ラブ・シンドローム



委員長のメガネに手をかける。


適度なスキンシップは、相手との距離を縮めるいい手段だからね。

「委員長さー、そのメガネ、かけるの辞めてみたら?」



そっとメガネを外す。

「ほら、イメチェンだよ!メガネ外した方がカワイ……」

……うそだろ?


俺の声は最後まで言葉にならなかった。



いや、マンガじゃドラマじゃあるまいし。

こんな展開、どうにかしてる。


だって、おさげにメガネのダサダサ真面目委員長が、メガネを取ったら、ほんとはとても綺麗な瞳だったなんて。




「……どうぞ」

委員長は明らかにイライラしたような口調で、俺に向かってノートを差し出してきている。



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