ラブ・シンドローム
「いや~、残り物には福があるんだねえ」
ん?これは、ちょっと違うのかな?
「いや、あたしね、世の中は不公平だと思ってたんだけど、わりとそうでもないんだね、実際」
「……不公平?」
あたしの席に、机をくっつけて座っている、イケメン、松井くん。
首を傾げて聞いてくる。
「あたし、双子なんだけど」
「そうなんだ」
「桃…あ、双子の妹は、頭も良いし、絵に描いたような優等生でね」
「優等生ね……」
あたしの言葉を、反復するだけの松井くんに構わず話を続ける。
「あたしはまあ、こんな奴だし。しかも桃ね、最近、彼氏までできちゃって」
「……あらら」
「まず、名前からして不公平!桃って可愛い感じじゃん?あたしは、青だよ、青」
「青だって可愛いじゃん」
可愛いって言われたことに、ちょっと喜ぶあたし。
我ながら、単純。