ラブ・シンドローム



「タケ、お客さん」

クラスメイトに言われ、教室の入口を見る。



「またか……」

ひょんなことから、最近ずっと付きまとわれてるアイツ。



真柴、青だか赤だか知らないけど。



正直言って、俺は女が苦手。

キャーキャーうるさいし、寄ってくるし。



だいたいね、あんまり俺のこと知らないくせに、簡単に好きだとか。

信じれるわけないでしょ。



だから、身につけたわけ。

好き、って言われたら、彼女がいるって言えば、大抵の女は諦めるってことを。



でも、この女はどうやらまだ、諦めてないらしい。

「ん~、居ないって言って」

クラスメイトにそう言って、机にうっつぷす。



「いや、無理だから。見えてるから。真柴から、タケが」

なんでそこまで女嫌いなんだか、なんて呟かれる。



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