桜雪
結城君の葬式は雲一つない青空の下で行われた
皆泣いていた
結城君の友達も
結城君の元カノも
クラスメイトも
皆泣いていた・・・のに
私は泣かなかった
いや、泣かなかったのではなく
泣けなかった
もうこれ以上結城君の死に顔を見たくない
もうこれ以上悲しい現実に目を向けたくない
あの甘酸っぱい片想いのころの思い出に浸っていたい
「ちづ・・・私もう帰る・・ね」
「え!?春華?」
私はその場を後にした