さくらんぼロリーポップ

懇願というか脅迫というか……。


必死に藍楽に縋り付く姿はどう見ても生徒たちの代表である生徒会長には見えない。


「あのですね、委員会って名前が付いてればイイってワケじゃないんです! 風紀委員の仕事にだってやっと慣れて来たんですか……ら?」


鷲掴みだった両手を振りほどこうとキッパリと言い放つ藍楽の声に混じり、きゅるきゅる~と何やら間の抜けた音が耳に飛び込んだ。


一瞬何の音かと辺りを見渡してみたが、幸か不幸か周りに人影はない。


ということは……。


見渡していた視線をゆっくりと正面に戻せば、龍が相変わらず両手を鷲掴みにしたままちょっとばかし頬を赤らめていた。


「お昼も食べずにわたしを待ち伏せてたんですか?」


「クラスに押しかけたら迷惑だと思って……」


「わかってるなら諦めてくださいよ!」


「諦めない! ウチには高原さんみたいな芯の強い子が必要なんだ!」


呆れる藍楽に負けじと力説したかと思えばまたきゅるきゅると情けない音が鳴り響く。



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