さくらんぼロリーポップ

やっと放課後になったって言うのに気分は滅入る一方。


むしろ放課後になったからこそ滅入るというか……。


「……行きたくない」


生徒会室で豹に会うと思うと何もかもから逃げ出したくなるのだ。


サボって帰ってしまおうか……なんて考えが何度も頭を掠めてる。


「藍楽~生徒会室行こう」


そんな藍楽の葛藤なんて知る由もなく、椎菜がいつもの調子で修護を従えて声をかけにやって来た。


机に肘をついたまま動こうとしない自分を、迎えに来た二人が不思議そうに見下ろしている。


……何か言わなきゃ。

サボる為の適当な言い訳を必死に探すが、


「良かった。まだ教室に居た」


背後から不意にかけられた声に思わず体がビクッと反応してしまう。


「豹先輩」


「こんにちは豹先輩~」


修護と椎菜が軽く挨拶をした相手は藍楽の会いたくない人ランキングNo.1人物で。


「もしかして……藍楽のお迎えですか?」


「まあね。早く会いたかったから」


「キャーッ!」


椎菜のミーハーな質問に爽やかな作り笑顔でサラリと答える豹に思わず眩暈がしそうだった。


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