さくらんぼロリーポップ

「日曜日に生徒会の仕事ですか?」


図書室の脇に併設された印刷室でコピーをとりながら聞かされたのは、龍が日曜日に大掛かりな資料整理をするという話だった。


「うん。平日の放課後だけじゃ期限まで間に合いそうになくて」


はははっと小さく笑いながら龍が頭を掻いた。


「だったらみんなでやりましょう」


「ううん。元はと言えば僕の手際悪いせいだし」


「……でも」


「大丈夫大丈夫~。たまには会長らしいこともしとかないとね」


なんて言いながら笑う龍に、藍楽の中に言い知れぬ気持ちがフツフツと沸いて来た。


不器用なりに自分のやるべきことを自力でやろうとする姿。


力になりたい。
そう素直に感じていた。


「わたしも手伝います!」


「へっ?」


「日曜日! 龍先輩と一緒に資料整理します!」


突然勢い良く手伝いを申し出た藍楽に、龍は怪訝な表情を浮かべていた。


< 106 / 125 >

この作品をシェア

pagetop