さくらんぼロリーポップ

それを聞いて藍楽は確信した。


……やっぱり自分のヨミは外れてなかった、と。


昨日、初対面の龍に抱いた印象は鳴り響く腹の虫のおかげで確定に変わる。


だから手のかかる男前は間に合ってるって言ったのに……。


頭の中で自分に超ムカツクと言ってきた昨日の椎菜に毒づきながらも、


「はい」


「えっ?」


「腹の足しにもならないかもしれないけどあげます。お菓子」


目の前に立ち塞がる頼りない男前生徒会長に持っていたコンビニ袋を差し出した。


差し出されたコンビニ袋を龍はじっと見下ろしたまま微動だにしない。


「まさか……お菓子嫌いとかですか?」


せっかくあげたのにこの反応の無さ。


怪訝な表情で龍を見上げる藍楽が顔を覗こうとした瞬間。


「……欲しい」


「はい?」


「やっぱり高原さんに生徒会に入って欲しい!」


「高梨先輩……普通逆だと思いますけど」


勧誘する側がお菓子や何やをあげるならまだしも。


勧誘に来た上にお菓子を貰った挙げ句、まだ勧誘をしてくるとは……とんだ生徒会長が居たもんだ。

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