さくらんぼロリーポップ

心底呆れた藍楽の顔もどこ吹く風の龍は、ただただ藍楽の目をじっと見つめ続けていた。


だいたい何故わざわざ風紀委員に在籍する自分を勧誘するのか……。


ただ切羽詰まったようにひたすら勧誘してくる龍に、


「とりあえず話だけなら聞いてあげますから」


「えっ? ホントに?」


「あくまで聞くだけです! とにかくお腹を膨らませて落ち着きましょう」


渋々返答した藍楽に目を輝かせた龍が腕を掴んで中庭の方へと促してくる。


空腹に同情をしてつい早まってしまったかと藍楽が後悔した時にはもう遅い。


「ほら! 早く早く」


「早く早くじゃないですよ!」


人懐っこい笑顔を浮かべた龍のペースにすっかり乗せられてしまってる。


嬉しそうにコンビニ袋を揺らす後ろ姿に藍楽は呆れ顔で溜め息をついた。


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