さくらんぼロリーポップ
冷めない熱

翌日の放課後。


「これ全部龍先輩がまとめたんですか?」


「まあね~。おかげで休日返上で眠くて眠くて」


生徒会室で龍の整理した資料に目を通した修護が珍しく感嘆の声をあげていた。


褒められてヘラヘラと笑った龍が欠伸を噛み締める。


そんな修護の傍らからチラチラと資料を覗き見した椎菜は、


「ホントは豹先輩が手伝ったんじゃないんですか~?」


こう言いながらキョロキョロと辺りを表情を窺ってみる。


「……そう言えば、豹先輩は?」


いつもならしれっとソファーなりに座ってる豹の姿がない。


それだけでなく、


「そういえば……高原さんも教室に居なかったな」


恒例の教室への藍楽のお迎えに立ち寄ったものの、珍しく教室には居なかった。


不思議そうに首を傾げた二人が顔を見合わせた瞬間、


「もしかして!」


何かを閃いた椎菜は無駄に立派な会長椅子に座った龍を振り返った。


椎菜と修護と目が合った龍はヘラッと笑った後、


「邪魔しないでね~。ウチの大事な弟の人生初の春だから」


いかにも兄っぽい発言をして口元に人差し指を当ててみせた。

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