さくらんぼロリーポップ
戦力外通告
「えっ!? ……どういうことですか?」
「イキナリで悪いとは思うけど、お願い」
「そんな……」
放課後。
風紀委員会の行われる予定の会議室で藍楽は愕然と声をあげた。
会議にはまだ時間があるせいか、会議室の中には藍楽と風紀委員長を勤める2年の女子しかいない。
「高原さんが一生懸命やってくれてるのはわかってるわ。だからこそ助けに回って欲しいの」
長机の上座に座った彼女は傍らで立ち尽くす藍楽を一瞥して、斜めに纏めた髪からピンク色のシュシュを外した。
解けた髪が真面目そうな先輩のイメージを、大人びた風に見せる。
「なんで風紀委員会から生徒会に人員を回す必要があるんですか?」
「顧問からのお願いなの。委員会に所属してた子なら勝手もわかってて即戦力になるだろうって」
「だからって……なんで」
校内の委員会を総轄する顧問の提案で出された、生徒会での前代未聞の人員不足の救済案。
一から人を探すよりも即戦力を求めて風紀委員会から人員を回せと言われたものの……。
そのお鉢がどういうワケか藍楽に回ってきたのだ。