さくらんぼロリーポップ
「じゃあ単刀直入に言うよ。恥ずかしながら生徒会が人手不足で困ってるんだ」
「力を貸して貰えないかな?」
相変わらず人懐っこく笑って切り出した龍の隣で豹がニッコリと爽やかに笑いかけた。
双子の高梨兄弟と言えば、高原兄弟と並ぶ男前兄弟として一部の女子から騒がれてるとかいないとか。
そんな二人に微笑みかけられてときめかない女子は居ない。
現に修護の付き添いでくっついて来ていた椎菜も、目の保養にと二人の顔を拝んでいる。
しかし、
「無理ですよ。わたし風紀委員入ってるんで」
アッサリと返事を返した藍楽はチラリと壁に掛かっていた時計に目を向け、
「あっ! 弟のお迎えの時間なんで失礼しまーす」
ニコッと愛想笑いを浮かべて踵を返して行ってしまった。
ものの一分も経たないうちになんの躊躇いもなく断られた高梨兄弟は呆気に取られてしまっている。
そんな二人に慌てて黙礼した修護が椎菜の手を取って藍楽の後を追いかけた。