さくらんぼロリーポップ
恋な予感……?
「じゃあ風紀委員から生徒会に移ったんだね、藍楽ちゃん」
「そーなんだー。左遷されちゃったんだよねー」
次の日の昼休み。
聖梨の誘いで3年の教室に皇楽特製のお弁当を抱えた藍楽がやって来ている。
「まぁ……ミスったのはわたしだから左遷されたって仕方ないんだけどさ」
一昨日と昨日起きた一悶着をかい摘まんで説明しながら、お気に入りのだし巻き卵を頬張った。
あくまでもサラッと、いつもの調子で話す藍楽の顔は自嘲するように笑っている。
そんな藍楽を正面から見ていた聖梨は、
「でも、それより前に会長さんから勧誘されてたんでしょ?」
「勧誘って言うか懇願って言うか脅迫まがいだったけど」
「だったら左遷じゃなくて引き抜きだよ」
藍楽の言葉にクスクスと笑いながらこう言って涼しげな目元を緩める。
落ち込んだ素振りを見せなかったはずなのに、聖梨は自然と藍楽を慰めて励ましてくれた。
「ありがと、ひーちゃん」
それに応えるように藍楽はニッとはにかんでみせる。