さくらんぼロリーポップ

「藍楽~。あんなにアッサリ断っちゃって良かったワケ?」


「なんで? わたし風紀委員だよ。朗楽のお迎えもあるから掛け持ちなんて無理だし」


ツカツカと教室へと向かって足を運ぶ藍楽の背中に椎菜が駆け寄っていく。


あの高梨兄弟の直々の呼び出しとお願いをいとも簡単に断ってしまった藍楽に、一般的な感覚の女子代表として不満げに唇を尖らせた。


「だからって高梨兄弟とお近づきになるチャンスなのに~」


「お近づき?」


「そうよ! 高梨兄弟って言ったら高原先輩たちに対抗出来る程の男前なんだから!」


藍楽の反応にますますプリプリと怒り始める椎菜を無視して、椎菜の傍らに居た修護に視線を向けた。


いつものキリッとした無表情が心なしかげんなりして見える。


「そんなに人手が無いの?」


「あぁ……。来るには来るんだが、何故か続かず辞めていくんだ」


高梨兄弟が居る生徒会というだけで入会したいという人間はたくさん居る(主に女子)。


だが、何故かそのいずれもが長く続かず辞めていくのだと言う。



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