さくらんぼロリーポップ
「城戸くん生真面目だから。正直過ぎるんですよ」
「…………」
フォローにならないフォローを言いながら二つ目のクッキーを口に運ぶ藍楽を、龍は隣からじっと見つめる。
その視線を不思議そうに見つめ返した藍楽に、
「……ごめんね高原さん」
「えっ? 何が」
「委員会のこと」
急にしおらしく目尻を下げた龍がポツリと呟いてみせる。
不意打ちに切り出された委員会の話題に藍楽は面食らった。
「顧問が他の委員会から生徒会に入ってくれそうな子を探してくれてるとは聞いてたんだけど……まさか高原さんにお鉢が回るなんて思ってなくて」
モゴモゴと口ごもる龍の声は歯切れが悪く、
「結果的には先輩の思い通りなんだからイイじゃないですか」
それが言い訳臭くて藍楽を苛立たせる。
「イイわけないよ!」
「はぁっ?」
「高原さんは……僕だけの力で生徒会にオトしたかったんだ!」
「……オトすって」
こう言って悔しそうに頬を膨らませる龍に、壮大な溜め息が藍楽の腹の底から零れ出した。