さくらんぼロリーポップ

確かに龍の外見はイイ。
しかし、口を開けば頼りない上に暢気で子供っぽい体たらく。


辞めた9人の何人かはそれに幻滅していたとしても仕方ない。


しかし、


「こんな形だけど、やっぱり高原さんが生徒会に来てくれて嬉しいんだ」


「…………」


ニッと笑う人懐っこい笑顔が何故か憎めない。


多分不器用な兄達を見ていて、男前だろうと中身までがそれに伴っていないことを知っていたから耐性が出来てたんだろう……。


なんて藍楽なりに勝手に自己分析していた。


それに、


「豹も喜んでたんだよ。高原さんならちゃんとやってくれそうだって!」


「っ!!」


「豹の期待に応えられるようにがんばろう!」


「は、はい!」


居場所の無くなった藍楽に手を差し延べてくれた豹の期待に応えたい。


この思いが藍楽の中で大きなウエイトを占めている。


「よーし! 一緒に生徒会を守り立てよう!」


藍楽のイイ返事に隣で喜ぶ龍を尻目に、昨日の豹の笑顔を浮かべた藍楽はニマニマと口元を緩めていた。


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