さくらんぼロリーポップ
「そういえば、昼休みに会長が高原さんを探しに来たな」
「あっ! そうそう! クッキーあげたいから居場所教えてって……」
「ということは」
「クッキーを貰ったから引き受けるワケじゃないから!」
椎菜と修護が疑いの眼差しでじっと藍楽を見つめている。
クッキーで絆されたと思われては心外だと、否定する藍楽が余計に怪しい……。
とでも言いたいかのような視線だ。
「だから! クッキーじゃなくて副会長の高梨先輩に……」
「なるほど副会長の方か」
「意外! 藍楽って豹先輩の方なんだ!」
「だから違うってば~!」
思わずポロッと零した名前に墓穴を掘ってしまう。
椎菜のキラキラした瞳と修護のいつも通りの顔が、どんどん藍楽を羞恥に追いやった。
聖梨と話していた時といい、どうしてこうも自分はわかりやすいのか……。
自分の意思に反して真っ赤になっていく頬を手で隠しながら、藍楽はまた自己嫌悪に陥っていく。