さくらんぼロリーポップ

「そういえば、昼休みに会長が高原さんを探しに来たな」


「あっ! そうそう! クッキーあげたいから居場所教えてって……」


「ということは」


「クッキーを貰ったから引き受けるワケじゃないから!」


椎菜と修護が疑いの眼差しでじっと藍楽を見つめている。


クッキーで絆されたと思われては心外だと、否定する藍楽が余計に怪しい……。
とでも言いたいかのような視線だ。


「だから! クッキーじゃなくて副会長の高梨先輩に……」


「なるほど副会長の方か」


「意外! 藍楽って豹先輩の方なんだ!」


「だから違うってば~!」


思わずポロッと零した名前に墓穴を掘ってしまう。


椎菜のキラキラした瞳と修護のいつも通りの顔が、どんどん藍楽を羞恥に追いやった。


聖梨と話していた時といい、どうしてこうも自分はわかりやすいのか……。


自分の意思に反して真っ赤になっていく頬を手で隠しながら、藍楽はまた自己嫌悪に陥っていく。


< 46 / 125 >

この作品をシェア

pagetop