さくらんぼロリーポップ

「生徒会室行くんなら一緒に行こーって思って待ってるのに」


「1人で行けるからイイ」


「え~! 一緒に行こうよ~!」


「絶対嫌!」


一緒に行ってしまったら椎菜の格好のネタになること請け合いだ。


そんなことになったら自分のふわふわとしたこの気持ちが豹にバレてしまうかもしれない……。


「顧問に提出してから行くから。椎菜は城戸くんと行って」


「えぇ~つまんない~」


まだ懲りずにぶつくさ言ってる椎菜を無視して、藍楽は書類に自分の名前を書き込んでいく。


つまんないって言ってる時点で面白がってるのがまる見えだ。


「椎菜。あんまりしつこくするな」


「だってだって~……あっ、豹先輩」


半ば呆れた修護に促されれ、渋々藍楽の机から離れようとした椎菜の足が止まる。


このタイミングでこの名前。


小学生並のわざとらしい気の引き方に、藍楽は無視を決め込んでいる。


視線を机に向けたまま必要な項目にペンを走らせる藍楽は、


「良かった。全員居て」


不意に頭上から聞こえた声に反射的に顔を上げた。


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