さくらんぼロリーポップ

「じゃあなんで……」


「風紀委員会から生徒会におまえを回して貰う為の条件」


「えっ……?」


「おまえ、俺とのセックス代に売られたんだよ。さっきの女に」


あまりに淡々とした声でアッサリと言われた言葉に、藍楽は自分の耳を疑った。


役立たずと言われ、風紀委員会から捨てられた本当の理由。


豹は自分が仕組んだことにも関わらず、傷付いた藍楽に優しい言葉をかけてきていた。


それを知った藍楽の中に怒りが沸き上がる。


怒鳴って殴ってやりたい衝動に駆られた直後、


「あ~。豹こんなとこに居たんだ」


ひょっこりと藍楽の背後から現れた龍に、二人は驚いたようにそちらを振り向いた。


「高原さんも一緒だったんだね~」


ピリピリとした空気が龍の暢気な笑顔でみるみるうちに緩和されていく。


テーブルに置いていた眼鏡をかけ、


「悪い。待たせた」


何事も無かったような顔をした豹が入口の方へと歩いてきた。


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