さくらんぼロリーポップ
切り出された藍楽の言葉に、少し驚いたように目を見開いた後、
「……だったらなに?」
冷たい瞳で藍楽を見下ろしていた。
藍楽が生徒会に必要だと言った優しい面影なんて微塵もない。
「意味がわかりません。だったら初めからわたしを牽制すれば良かったじゃないですか」
「おまえが自ら辞めることに意味があんだよ」
「はっ?」
「引き受けたのに辞められる方がショックがデカイからな。そしたらアッサリ会長辞めるだろうと思って」
顔色一つ変えず淡々と言ってのける豹に、さっきとは違う怒りが藍楽の中に沸き上がった。
弱ってる藍楽にわざと優しくしただけでなく、豹に認められたいという龍の頑張りまでを踏みにじっている。
中庭で豹を安心させたいと張り切っていた龍を思い出し、
「わっ!! 高原さん!?」
気が付けば握りこぶしを思いっ切り豹の頬に打ち噛ましていた。