さくらんぼロリーポップ

切り出された藍楽の言葉に、少し驚いたように目を見開いた後、


「……だったらなに?」


冷たい瞳で藍楽を見下ろしていた。


藍楽が生徒会に必要だと言った優しい面影なんて微塵もない。


「意味がわかりません。だったら初めからわたしを牽制すれば良かったじゃないですか」


「おまえが自ら辞めることに意味があんだよ」


「はっ?」


「引き受けたのに辞められる方がショックがデカイからな。そしたらアッサリ会長辞めるだろうと思って」


顔色一つ変えず淡々と言ってのける豹に、さっきとは違う怒りが藍楽の中に沸き上がった。


弱ってる藍楽にわざと優しくしただけでなく、豹に認められたいという龍の頑張りまでを踏みにじっている。


中庭で豹を安心させたいと張り切っていた龍を思い出し、


「わっ!! 高原さん!?」


気が付けば握りこぶしを思いっ切り豹の頬に打ち噛ましていた。


< 56 / 125 >

この作品をシェア

pagetop