さくらんぼロリーポップ

殴られた頬を押さえてポカンとする豹は、痛みより殴られたことにビックリしているようだ。


見開いた目で固まったように藍楽の顔を凝視している。


「なになに!? どうしたの? 喧嘩?」


ハンコを握り締めた龍がただならぬ二人の空気に、慌てた様子でこちらへと駆け寄ってきた。


自分がハンコを探してるうちに何があったのか……。


オロオロと二人の顔を見比べる龍の腕を掴み、


「先輩の思惑通りにはさせません!」


「……なに?」


「龍先輩はわたしが守ります!」


「えっ!? 僕っ!?」


大声で宣言した藍楽がビシッと豹に人差し指を突き立てた。


状況がわからないまま藍楽に守られることになった龍は、上擦った変な声で何故か赤面していた。


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