さくらんぼロリーポップ
「ん~……だって、あの眼鏡の方の先輩って胡散臭い感じする。会長の方はヘラヘラしてなんか頼りないし。だいたい、男前は間に合ってるから」
「藍楽……超ムカツクよそれ」
「……女子全てを敵に回しかねん発言であることはさすがに俺でもわかる」
さすがの修護も引いてしまうような藍楽のKY発言に、椎菜も今までで一番怖い顔になっていた。
そんなこと言われたって興味を惹かれないのだからしょうがない。
それに風紀委員の仕事にも慣れてきて楽しくなってきたところだ。
無理矢理生徒会に入れられることを思えば、これぐらいの反感なんでもない。
「……こういうとこ、ひぃちゃんに出会う前の雄兄みたいかも」
涼希にもったいない青春と言われても、サッカー一途だった頃の雄楽の姿を思い出して思わずこう呟いた。
思わぬ兄との共通点に藍楽は一人苦笑いを浮かべながら教室の中へと入っていった。