さくらんぼロリーポップ

雄楽がムスッとした表情でお弁当を掻き込んでいく傍らで、


「高梨くんのその行動って、もしかしたら……家柄が関係してるのかも」


「えっ? 姫ちゃん、高梨先輩たちの家の事とか知ってるの?」


「中学が一緒だったから噂程度にはね」


「へぇ! 涼姫って高梨兄弟と同中なんだ」


「人数が多い学校だったからクラスは一緒じゃなかったけど、双子だったから目立ってたし」


切り出した涼姫と高梨兄弟の意外な接点に、藍楽は少しばかり涼姫の方へと身を乗り出した。


涼希も初耳だったらしく関心したように声を上げている。


今度卒アル見せて~、なんてワイワイ盛り上がる三人(約二名)に、


「……で?」


ストップをかけたのが、さっきそっぽを向いたはずの雄楽だった。


お弁当を食べかけていたを手を止め、涼姫に問い掛ける雄楽に藍楽は怪訝な表情を浮かべる。

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