さくらんぼロリーポップ
「やっぱりあの人は胡散臭いヤツだったってこと! わたしの勘は正しかったのよ!」
それなのに、ちょっと弱ってるとこを優しくされただけで絆されてしまった自分に自己嫌悪すら覚える。
荒い動作で机の上の荷物を片付ける藍楽はピリピリとしたオーラ全開だった。
「急にどうしたんだ?」
「あ~! 藍楽ってば豹先輩がモテるから嫉妬してるんだ!」
藍楽ったら可愛い~!
なんて一人騒ぐ椎菜に藍楽は思わず、手の平で机を盛大に叩いて立ち上がった。
モテると聞いて藍楽の脳裏に浮かんだのは、生徒会室で出会したあの場面。
あのルックスと上っ面に騙された何人もの女子を、平気で食いモノにしていると思っただけで苛立ちはピークに達する。
「絶対無い! 例え全校女子生徒が豹先輩を好きになっても、わたしだけは絶対にならないから!」
空っぽの教室に響くような馬鹿デカイ声で宣言した藍楽に、目をパチクリとさせた二人は思わずお互いの顔を見合わせた。
そんな二人に目もくれず、大声で決意表明をしてスッキリしたらしい藍楽は満足げにカバンを肩に懸けた。