さくらんぼロリーポップ
龍を会長から引きずり落とそうという豹の魔の手から龍を守るべく、いざ生徒会室へ向かおうと藍楽が身を翻した。
どうせなら二人に豹の本性を話して味方になってもらった方が、龍を守りやすいんじゃないか。
思いついた名案に藍楽が二人に振り返ろうとした時だった。
「随分と威勢が良いね。高原さん」
「っっ!?」
にっこりと爽やかな笑顔を貼り付けた豹が目の前に立っていて、思わず全身に力を入れて身構えてしまった。
そんな藍楽の傍らでは、
「ち、違うんです豹先輩! 藍楽ったら豹先輩がモテるから嫉妬しちゃって!」
「そ、そうなんです」
修護と椎菜が慌てて藍楽のフォローを入れている。
さすがの豹も藍楽の一方的な悪態に気を悪くするのでは……。
なんて二人の懸念は、
「俺なら気にしてないよ。それより生徒会室で龍が待ち兼ねてるから急いでやって」
豹がこれでもかってなくらい爽やかな笑顔で切り返したことで吹き飛ばされた。
むしろ、
さすが豹先輩は懐が広い!
笑顔で藍楽を受け流したことで、豹の評価は上がる一方だった。