さくらんぼロリーポップ

「藍楽~。いくらヤキモチ妬いたからって、あんなこと言っちゃダメなんだからね!」


「ヤキモチなんかじゃないってば!」


「わかったわかった。とりあえず急ごう。会長が待ってる」


修護に促されて急ぎ足で生徒会に向かう椎菜たちの背中を、藍楽は口惜しそうに見つめる。


この調子じゃあいくら自分が豹の本性を告げようと信じてもらえそうもない。


せっかく味方につけて一緒に龍を守ってもらおうと思っていたのに……。


目論見が外れた藍楽が溜め息と共にガックリと肩を落とした。


そんな藍楽の耳に、


「……残念だったな」


全てを見透かしたように厭味を込めた豹の声が響いてきた。


「アイツらを味方につけて、一緒に龍の会長の座を守るって目論見だったんだろ。どーせ」


「わたし一人でも守ってみせますからっ」


ツンとわざとらしいくらいの仕種で傍らの豹から顔を逸らし、藍楽が歩調をズカズカと速めていく。


これ以上豹と顔を合わせていたらムカムカして堪らない。


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