さくらんぼロリーポップ

「メモがなきゃ運営出来ないようならさっさと辞めれば良いんだよ」


そう言いながら豹がポケットから取り出したのは、何枚も重ねられた付箋の束。


そこにはみっちりと小さな文字が書き込まれていて、紛れも無く龍が書いたメモだった。


「……酷い。なんでこんなことするんですか!」


「おまえ、守るって言ったよな? 龍のこと」


「えっ?」


「龍を守る一番手っ取り早い方法を教えてやる」


豹が手にしていた付箋の束を藍楽へと差し出す。


それを受け取ろうと伸ばした藍楽の手を素早く掴み、


「俺を監視すること。俺が龍に悪さ出来ないように血眼になって見張ってろ」


引き寄せた豹は耳元で囁き、不敵に笑ってみせた。


間近に迫った豹の顔に藍楽の胸に警鐘が鳴り響く。


抗えない程の強さでも無いのに振り切れないのは、龍を守ると言った義務感からなのか。
それとも……一度は豹に惚れかけた弱みなのか。


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