さくらんぼロリーポップ
まったりとしたお茶会の風景に顔を引き攣らせて立ち尽くす藍楽を、
「そんな所に立ってないで早く座りなよ」
爽やかな笑顔を浮かべた豹が、ポンポンと自分の座るソファーの隣を叩いて手招きしている。
衝動的に全力疾走で逃げ出したい気持ちで一杯になった。
昨日の発言の取り消しを求めに来たっていうのに、とてもじゃないけどそんなことが言える雰囲気ではない。
「高原さん?」
「っ!」
「どうしたの?」
眼鏡越しの瞳が早く来いと言わんばかりに藍楽を捕らえて離さない。
きっと豹は自分の顔色が困惑に変わる程面白がるに決まってる。
このまま豹の思い通りになるのは気に入らない。
だったら虚勢でも平然と、何でも無い顔をしてやろう。
腹を括った藍楽は意を決して豹の隣へと腰を下ろした。
「うん! やっぱりイイね」
「えっ?」
豹の隣に座った藍楽を龍がニコニコ顔で眺めている。