さくらんぼロリーポップ
会長と副会長
次の日の昼休み。
昨日の呆気なく結論の出た勧誘のことなど藍楽はすっかり忘れていた。
昨日食べた新作のお菓子が美味しかったから、皇楽を冷やかしがてら天と絵那にまぜて貰おう。
コンビニの袋を提げ、昼休みでも比較的人通りの少ない3年の廊下手前を歩いていた。
そこに、
「高原さーん!」
「……あ」
「やぁ……奇遇、だね」
「…………」
奇遇というには明らかに不自然な龍が藍楽を呼び止めた。
何処かしらから全力疾走したのか乱れた息を必死に整えている。
「めちゃくちゃ息切れてますね……何か用ですか?」
「昨日の話なんだけど……」
「それなら昨日も言ったじゃないですか! わたし風紀委員だから無理って」
龍が言い終わらないウチに藍楽がピシャリとそれ以上の言葉を遮ってしまった。
全力で拒絶されてしまった龍は一瞬絶望感に脱力した後、
「そこを何とか! 風紀委員も生徒会も同じ委員会なんだし」
穏和そうな見た目にはそぐわないような素早い動きで藍楽の両手を鷲掴みにした。