さくらんぼロリーポップ

「高原さんと豹ってお似合いだなって」


「そんなこと無いです。断じて」


「藍楽ったら照れちゃって～！」


「だから違うから！」


龍の言葉を全力で否定する藍楽すら、椎菜には可愛らしく映るらしい。


二人に茶化されてムッと唇を尖らせる藍楽を、


「はい。機嫌直して」


隣からその顔を覗き込む豹は満面の笑みで見つめ、生クリームとシフォンケーキの乗った皿を差し出した。


……むくれる自分を見て喜んでるに違いない。


「ありがとうございます」


だから思い通りになるまいと、藍楽は不自然な作り笑顔を浮かべて皿へと手を伸ばす……が。


「……ちょっと待った」


「っ？」


藍楽の作り笑顔を見た豹は何故か、差し出していた皿をひょいと自分の方に引き寄せてしまう。


そのまま怪訝そうな藍楽を後目に、


「はい」


「……はい？」


皿に添えていたフォークを手に取り、一口大に切ったシフォンケーキを生クリームを付けて差し出した。