さくらんぼロリーポップ
そりゃあ思わず声だってあがってしまう。
龍の伸ばした手が藍楽の頬に届く寸前に、
「ティッシュなんか要らねぇよ」
藍楽の顎を掴んだ豹がペロッと頬に付いた生クリームを舐め取ってしまったのだ。
「っー!!」
舐められた舌の感触と掠めた息の温度に恥ずかしさが全身を駆け巡り、思わずコンマ1秒でソファーから立ち上がった。
舐められた頬を押さえる手が怒りでわなわなと震える。
「キャーン! 豹先輩ったら実は俺様なんですねっ!」
「豹!! やるなら二人きりの時にしなさい!!」
「……副会長を慕う女子生徒が見たら卒倒するだろな」
思い思いの事を口にする面々なんてどこ吹く風。
しっかり者の副会長の顔なんてしれっと脱ぎ捨てた豹は、平然と冷めかけの紅茶を口に運んでいた。
「っっ~~!!」
なんか言ってやりたいけど真っ赤になった顔で豹を睨みつけることしか出来ない。
そして紅茶を飲み干した豹と目が合うなり、
「セ……セクハラ野郎!」
羞恥心が頂点に達した藍楽は余裕をぶちかます豹に大声怒鳴り付け、脱兎の如き速さで生徒会室から飛び出して行ってしまった。