さくらんぼロリーポップ

どういうことかと二人が同時に朗楽を見れば、


「だって皇にぃと天がチューしてたって月先生に言ったらラブラブだからって」


「なっ!」


「やっぱり皇兄じゃんか!」


「……いつの間に」


悪意ゼロの朗楽の笑顔に、身に覚えがあったのか真っ赤になった皇楽が絶句してしまう。


兄の威厳とかツンデレとか……色々な不都合が胸中を巡る皇楽の気も知らず、


「次から気をつけないとね」


「ばっ! そういう問題じゃねぇだろ!」


「むっ……」


暢気にこんなことを言っちゃう彼女に、思わずホットケーキの端切れを突っ込んで口を塞いだ。


そんな皇楽の一大事も傍目から見ればただのイチャイチャにしか見えない。


そんな恥ずかしさで妹や弟の顔が見られない皇楽は、


「あっ! 誰か来たみたいだ!」


まるで天の助けのように鳴り響いたインターホンの音に大袈裟に反応を示した。


< 95 / 125 >

この作品をシェア

pagetop