さくらんぼロリーポップ
「……そうやって何でもかんでも全部身近なヤツに喋って、助けでも求めるつもりかよ」
「べ、別にそんなつもりじゃありませんっ」
「そんな一人じゃ何も出来ないヤツが、よく風紀委員なんかになろうと思ったな」
次に口を開いた時には言動までが変わっていた。
いつもは余裕な厭味で自分を困らせていた豹の口調はキツくなり、
「だから辞めさせられんだよ、役立たずっ。そんなんで龍を守れるワケないだろ」
藍楽を困らせる所か、わざと弱点を掘り返して確実に傷付けていく。
泣きそうになるのをぐっと堪えて、豹のレンズ越しの冷たい瞳を睨みつけた。
「……先輩は何だって一人で出来るからわかんないんです。わたしや龍先輩の気持ちなんて」
「何だよそれ」
「豹先輩なんかにわかってもらおうとは思いませんっ」
これ以上話す気は無いと、踵を返して家の中に戻ろうとした時だった。