Infinite Information
『神山ミコト』は何の反応もない。
本当に戦う気が無いのだろう。
どうでもいい。
彼に対する策は色々考えてきた。
袋叩きにするまでに。


校庭を見たが『神山ミコト』以外誰もいない。
私としては都合がよかった。


私は実弾を入れた銃を『神山ミコト』に放った。
だが、『防壁』が邪魔をした。
球が止まっていた。
でも、それは予測済みであった。
前に一度ナイフを投げたときにこの能力は見ていた。
だから、対策もしてきた。
銃では効かないのなら、ナイフを『神山ミコト』の近くに投げた。
私は移動して、ナイフとつないでいる紐を操作して『神山ミコト』目掛けて法被を投げた。

法被は『神山ミコト』を覆った。
これには『キャンセラー』以上の効果があった。
能力を使用するには空中の粒子が必要だ。
これは覆った部分内の粒子をかぎりなく減らすものだ。
これで『神山ミコト』は能力を使えない。
私はナイフを握り、『神山ミコト』目掛けて刺しにいた。

ナイフは刺さった。
だが、いつもの感触とは違った。
これは………
神山ミコトは法被からいなくなっていた。


「辻本………」

私は声のする方を見た。
そこに『神山ミコト』がいた。


「なんであんたがそこにいるのよ」

「僕はもともとここに居た」

「じゃあ、今までのは………」

「僕の『幻影』だよ」


私は『幻影』ごときに本気を出していたのか。
だが、本体が分かれば次の手で終わられた。


「確かにアカネはお父さんよりも強いらしい。
でも、僕には勝てない。
だからやめよう」

「懲りずにまだ………」


私は法被を手元に戻し、ナイフと法被を持った。


「仕方がない………」

「やっとやる気になったの」

「ナナミにも、皆にも内緒だよ」

「知らない」


その瞬間、身体が震えだした。
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