Infinite Information
「アカネにそれ以上近づくな」

「………」

「アカネにそれ以上近づくなと言っているんだ」

『神山ミコト』はメスを消し、『念力』を解いた。

「辻本………誰」

「私の知り合い………」

「アカネ、何をしているんだ」

「あなたこそ、なんでこんなところにいるのよ」

「俺はお前に用事があって家に行ったらアカネが外出していると言われて捜しに来たんだ」

「そう………
私は総長よ。
敬語を使いなさい」

「そんなことよりもこいつは誰だ。なんだ。この圧迫感は………」

「ヨシトには関係ない」

「いいや、関係がある。
俺の嫁に手を出したんだ。
覚悟しろ」

「アカネ………、勝負はもう終わったよね」


私は負けたくなかった。
『W』の総長として、何よりも負けることが嫌だった。


「ヨシト………」

「なんだ」

「こいつを倒して………」

「まかせとけ」


ヨシトには『神山ミコト』に勝てる要素があった。
ヨシトの能力は『空間系』の『分解』能力者だ。
『分解』にもさまざまな種類があった。
その中で、ヨシトのは『粒子分裂』だ。
『キャンセラー』と同じ効果があるが、威力はヨシトのほうが強い。
粒子の塊を破壊することくらい簡単にできる。
ヨシトがやれば『神山ミコト』の『防壁』能力を破ることができるはずだ。


「ウォ――――――」


ヨシトは『神山ミコト』に向かって行った。
両手を『神山ミコト』に向けた。彼は『防壁』を破る気だ。
だが、砕けない。


「ヨシト………」

「アカネ………
まだナイフがあるだろ………
それで防壁を壊せ………」


私は最後のナイフを腰から取り出し、ヨシトの作った『防壁』の弱っているところに刺した。
『防壁』を通して『神山ミコト』を刺したが………
貫通しない。
『神山ミコト』は『肉体強化系』の『強化』………
お父さんの能力を使っていた。
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