Infinite Information
「何をしたの」

「簡単な事です。
あなたの言っていた反乱を実行しているのです」

「………」

「力にも色々な見方がある。
一人の持つ力か、一人の持つ部下の力か………
私は後者の部下の力であなたを倒して見せましょう」

「ふざけないで………」

「ふざけていません。
これが私の力なのです」


私はこの場から動けない。
『穏健派』の幹部を守る必要があった。
でも動かないと私の部下が殺されてしまう。
どうすればいい………


「これが力の差です。
部下を信用しない、組織に貢献しない総長が導いた結果なのです」


『辻本シュウイチ』は笑いながら私に話した。
私は周囲を確認した。
この男を倒すことは簡単だ。
だけども倒したことで問題が解決するはずがない。
今回の集会、他の『過激派』の幹部は呼んでいなかった。
このままでは………負ける。


「総長」


私は扉の方を見た。ヨシトがいた。


「総長、ここは俺が護ります。
総長は皆を………」

「ヨシト」

「命が尽きるまで働きます」

「わかった」


私は『辻本シュウイチ』の方に歩いた。
彼は何の動揺もしていない。
分かっているのだろう。
彼は自分を倒したところで事態が収まるわけでもないことを………
でも………
私は『辻本シュウイチ』を殴り、気絶させた。
そして………


「六代目総長辻本アカネとして『高梨ヨシト』に任務を与える。
この部屋に居る者に傷一つ負わせないこと。
いいわね」

「わかりました。
総長。
命に代えてもその任務、遂行します」


私は部下を助けに部屋を出た。
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