Infinite Information
私は急いで基地に戻った。
けが人もそうだがまずこの場所から離れないといけない。
増援が来る可能性があったからだ。
だが、誰が仲間なのかがわからない。
いつも基地に居る部下も倒してしまった。

今は誰も信用していない。
けれども、一人だけ信用している人物がいた。
『高梨ヨシト』だ。
彼だけが唯一信頼できるかもしれない。
私は幹部の居る座敷に向かった。


部屋に入ると幹部とヨシトがいた。
皆無事だった。
私はホっとした。


「総長、大丈夫ですか」

「大丈夫。
それより今すぐに非難をしてください。
敵に基地の場所を知られてしまいました。
避難場所はHにします。
私は幹部を逃がします。
ヨシトは反乱者以外を助けてHに連れて向かってください」

「わかりました」


私は指示を出し、幹部を連れて移動した。
幹部を一人一人別の所から逃がした。
基地の構造は『私の家を中心に半径三百メートルはすべて『W』の者が住んであり、地下でつながっている』ので逃げ道はいくらでもあった。
幹部を四方八方に逃がし、私は基地のメインルームに行った。
この部屋は総長以外には入ることのできない場所で私は一本の鍵を鍵穴に入れた。


鍵を回すとシステムが起動した。
システムは一つのことのみをするものだった。
この基地にある全てのデータを一つのハードディスクに入れ、書き込みが完了すると基地のすべてのデータを削除するものだ。
私はその作業が終わるまで待った。
この基地と別れることは辛かった。
産まれてから今までに沢山の思い出が詰まった場所だった。
でも、それが今日で終わろうとしていた。

ピー、ピー

書き込みが完了した。
私はハードディスクを持ち、Hの場所に移動した。


『HF』のHだ。
ここは私のお父さんの知り合いが経営していて、『W』の避難場所として利用することを約束していた。
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